Q-16:ガン治療における食事の意義と漢方の役割。

体が最高の状態で働くためには、栄養のある食事を欠くことはできません。よい栄養はガン患者さんにとってはなおさら重要です。それは何故かというと、

1)栄養状態が悪いと治療の副作用がでやすくなり、十分な治療ができなくなります。

2)ガン治療によって傷つけられた組織を早く修復し、体力を維持するためには、十分な栄養の 補給が必要です。

3)十分な食事が摂れなかったり、かたよった食事をしていると、体内に貯蓄された栄養をエネルギー源として消耗しなければならなくなります。その結果、免疫力が低下し感染を起しやすくなります。ガン患者さんは感染に対する抵抗力が弱いことが多いので、免疫力を高めるために栄養の良い食事が必要なのです。

どのような食事が必要かというと、基本は、毎日いろいろなものを食べることです。同じ食べ物や、似たような食べ物ばかりでは必要な栄養の全てを摂ることはできません。

蛋白質は体の治癒力と抵抗力の本になります。肉、魚、鳥、大豆製品、卵、乳製品などをバランスよくとります。

野菜や果物は、体に必要なビタミンやミネラルを供給してくれます。新鮮や野菜ジュースやフルーツジュースを多くとると、抗酸化力や血液循環が良くなって、ガン治療の副作用を軽減し、組織の修復を早めます。

穀物の炭水化物はエネルギー源となります。必要なカロリーをとることは、体重を維持し元気の源になります。

ガンの治療中は、体力と抵抗力の維持が目的ですから、特に制限するものはありません。しかし、ガン予防の為の食生活として推奨されている内容(ガン予防再発予防の項参照)も参考にしておくと良いと思います。

例えば、動物性の脂肪の多い食事は控え、アルコールの取りすぎにも注意します。蛋白質は赤味の肉より魚や大豆製品(豆腐や納豆など)などからとる方が良いと思いますし、食物繊維の豊富な食事で便通を良くしておくことは解毒能や治癒力を高めることにつながります。野菜や果物から、ビタミンやミネラルや抗酸化物質を多くとることはガンに対する抵抗力を高めます。

さて、いくら栄養の良い食事を用意しても、食欲がなかったり胃腸の働きが悪くて消化吸収がうまくいかなければ、十分な栄養を体に取り入れることはできません。漢方治療により、食欲を高め、胃腸の働きを良くし、栄養の消化吸収を高めることができます。体力や抵抗力の弱っている虚弱体質の人や、胃腸虚弱の人に対しては、昔から漢方薬が使われています。食欲不振、胃腸虚弱、疲労倦怠、虚弱体質、というのは漢方が得意とする病気ですが、西洋薬には有効なものはほとんどありません。吸収した栄養素を体に十分行き渡らせ、ガン治療による組織の修復のためには、血液の循環や新陳代謝が大切ですが、漢方薬にはそのような薬が多く用意されています。

さらに、漢方薬は、体の免疫力や抗酸化力や解毒機能を高める成分の宝庫でもあります。ミネラルやビタミンなどの補給にも役立ちます。ガン治療において栄養の良い食事は大切ですが、漢方薬には、栄養の摂取と利用を高める成分と、ガン治療の副作用を予防する成分が含まれるため、ガン治療に積極的に併用する価値があるのです。ガン治療中に栄養の良い食事が大切なのは、ガン治療を行っている医師は十分理解しています。しかし栄養を高める上で漢方治療を活用している医師は多くありません。漢方治療については大学で教育されていないので、その知識がないからというのが、大きな理由です。医者が勉強不足のために、より良いガン治療が受けられていない、といっても間違いではないと思います。

画像をクリックするとサイトに移行します

◯ がんの漢方治療や補完・代替療法に関するご質問やお問い合わせはメール(info@f-gtc.or.jp)でご連絡下さい。全て院長の福田一典がお答えしています。

前のページに戻る