Q-17:ガンの漢方治療を行うとき、漢方理論をマスターしなければ漢方薬は使えないのですか?

病気の状態を漢方の物差しで判断して処方を決めることを「弁証論治」といいます。虚実・寒熱・陰陽・気血水などの漢方理論を十分理解しておくと正しい弁証論治ができるわけですが、細かい点に関しては専門家の間でも考え方はかなり異なりますし、主観的で観念的な要素が多いといえます。

ガンの場合には、ガンという病邪がはっきりしており、証も幾つかのパターンに分類できますので、あまり観念的な中医学理論に厳密に固執する必要はありません。ガンの治療を目標とする場合には、西洋医学的な検査所見やガンの広がりなども参考にしながら、生体を維持する気血水3要素のうち、変調を来している要素をおおまかに判断し、虚実・寒熱も方向性さえ間違えなければ、自分に合った処方を選ぶことができます。その方法については私の拙著を参照して下さい。

効果がありそうか、体に合っていないかは、服用した本人が最も良くわかります。その主観的要素も参考にしながら自分に合ったものに修正していける程度の漢方薬の知識があれば自分で選んでも大丈夫です。漢方薬は全身のバランスを正常に戻し、人間が本来持っている自然治癒力を発揮できる状態に戻す手助けをするものですから、自分の体と相談する方が本来の漢方治療なのです。

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◯ がんの漢方治療や補完・代替療法に関するご質問やお問い合わせはメール(info@f-gtc.or.jp)でご連絡下さい。全て院長の福田一典がお答えしています。

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